湿度が上がる季節になると、食材が傷みやすくなり、食中毒のリスクが高まります。この時期に特に注意が必要な食材の一つとして、「おにぎり」が挙げられます。

おにぎりは手軽に作れて持ち運びやすい食品ですが、保存方法や扱い方を間違えると食中毒の原因になってしまいます。

この記事では、おにぎりを安全に扱うための注意点や適切な保存方法について詳しく解説します。

食中毒のリスクとその要因

おにぎりが食中毒の原因となる主な理由は、以下の3つに集約されます。

  1. 細菌の繁殖:ご飯には細菌が繁殖しやすい栄養素が豊富に含まれています。特に、湿度が高く気温が上昇する季節には、細菌の繁殖速度が速くなります。
  2. 手からの汚染:おにぎりは手で握るため、手に付着した細菌がご飯に移る可能性があります。特に、調理前に手洗いを怠ると、手からの細菌が繁殖するリスクが高まります。
  3. 保存方法の不適切さ:適切な保存方法を取らないと、細菌が増殖する温度帯におにぎりが長時間晒されることになります。これにより、食中毒のリスクが増加します。

ラップでおにぎりを包んだ後そのままにする危険性

三日坊主主婦

おにぎりをラップで握ってラップに包んだままの状態で放置していませんか?

おにぎりをラップで包むことは多くの家庭で行われていますが、そのまま放置すると以下のような問題が発生することがあります。

湿度の保持

ラップでおにぎりを包むと、内部の湿度が保持されます。これはおにぎりが乾燥するのを防ぐためには有効ですが、同時に細菌が繁殖しやすい環境を作り出してしまいます。特に、湿度が高い季節には、ラップの中で細菌が急速に増殖するリスクが高まります。

温度の上昇

ラップは保温効果があり、室温で放置するとおにぎりの温度が上昇します。細菌は20℃から40℃の間で特に繁殖しやすいため、この温度帯におにぎりが長時間晒されることは非常に危険です。特に、湿度が高い環境では温度と湿度の組み合わせが細菌の繁殖を加速させます。

酸素の不足

ラップは密閉性が高く、酸素を通しません。酸素が不足すると、嫌気性細菌(酸素が無い環境で繁殖する細菌)が増殖しやすくなります。例えば、ボツリヌス菌などの嫌気性細菌は非常に危険で、食中毒を引き起こすことがあります。

おにぎりの保存と持ち運びのポイント

おにぎりを安全に保存し、持ち運ぶためにはいくつかのポイントに注意する必要があります。

保存のポイント

  1. 冷蔵保存:おにぎりを握った後、できるだけ早く冷蔵庫で保存することが重要です。冷蔵庫の温度は細菌の繁殖を抑えるために効果的です。おにぎりは冷蔵庫で保存することで、細菌の増殖を最小限に抑えることができます。
  2. 短時間で消費:おにぎりは作った当日中に消費することが理想的です。長時間保存すると細菌の増殖リスクが高まります。
  3. 冷凍保存:長期保存が必要な場合は、冷凍保存を検討してください。冷凍することで細菌の活動を停止させることができます。

冷蔵保存のおにぎりの消費期限

おにぎりを冷蔵庫で保存する場合、適切な保存方法を守れば、1日(24時間)以内に消費することが推奨されます。冷蔵保存は細菌の繁殖を抑える効果がありますが、完全に防ぐわけではありません。時間が経つと、ご飯の風味や食感が損なわれるだけでなく、食中毒のリスクも増加します。

保存方法のポイント

  1. すぐに冷蔵庫に入れる:おにぎりを握った後、できるだけ早く冷蔵庫に入れることが重要です。常温で放置すると細菌が繁殖しやすくなります。
  2. 密閉して保存する:おにぎりをラップや保存容器に入れて密閉し、冷蔵庫に保存します。これにより、乾燥や他の食品からの匂い移りを防ぎます。
  3. 温度管理:冷蔵庫の温度は4℃以下が理想的です。この温度帯で保存することで、細菌の増殖を最小限に抑えます。

冷凍保存のおにぎりの消費期限

長期間保存する場合は、冷凍保存が適しています。冷凍保存の場合、1ヶ月以内に消費することが推奨されます。冷凍することで細菌の活動を停止させることができるため、保存期間が延びますが、長期間保存すると風味や食感が劣化する可能性があります。

冷凍保存のポイント

  1. 個別に包む:おにぎりを一つ一つラップで包み、冷凍用のジッパーバッグや保存容器に入れて保存します。
  2. 急速冷凍:急速冷凍機能を使って素早く凍らせると、風味や食感をより良く保つことができます。
  3. 解凍方法:電子レンジで温めてから食べます。

持ち運びのポイント

  1. 保冷剤の使用:おにぎりを持ち運ぶ際には、保冷剤を使用することで温度上昇を防ぎます。保冷バッグに入れることで、外部の温度から守り、細菌の増殖を抑えることができます。
  2. 直射日光を避ける:直射日光が当たる場所に置かないようにしましょう。日光による温度上昇は細菌の繁殖を助長します。
  3. 食べる直前に取り出す:おにぎりは食べる直前まで冷蔵または保冷バッグに入れておくことが大切です。これにより、温度上昇を最小限に抑えることができます。

三日坊主主婦

私の母はアルミホイルで包んでくれていたので私もアルミホイルで包んでます。

どっちが良いとかあるのかな?

おにぎりの持ち運びにラップとアルミホイルのどちらが良いかについて、それぞれのメリットとデメリットを比較します。

包装方法メリットデメリット
ラップ・形が崩れにくい ・密閉性が高い・湿度が保持される ・温度が上がりやすい
アルミホイル・温度を保ちやすい ・湿気を防ぐ・形が崩れやすい ・密閉性が低い

おすすめの包装方法

湿度が高い季節には、アルミホイルを使うことをおすすめします。アルミホイルは湿気を防ぎ、温度を保つ効果があるため、おにぎりが腐りにくくなります。

ただし、形が崩れやすいので、しっかりと包むことが重要です。また、持ち運びの際は保冷バッグや保冷剤を併用するとさらに効果的です。

電子レンジでの温めは出来ませんので温めたい方はラップを使用してください。

おにぎりの安全な取り扱い方法

手洗いの重要性

おにぎりを握る前には、必ず手を洗うことが大切です。手には多くの細菌が付着しているため、しっかりと洗浄することで食材への細菌の移行を防ぐことができます。特に指の間や爪の下など、細かい部分もしっかりと洗うようにしましょう。

冷蔵保存の方法

おにぎりを冷蔵保存する際には、できるだけ早く冷蔵庫に入れることが重要です。おにぎりを握った後、すぐにラップで包み、冷蔵庫に入れます。冷蔵庫の温度は4℃以下が理想的です。冷蔵保存することで、細菌の増殖を抑えることができます。

冷凍保存の方法

おにぎりを冷凍保存する場合は、一つ一つラップで包み、冷凍用のジッパーバッグに入れて保存します。冷凍保存することで、長期間保存が可能になります。食べる際には、冷蔵庫で解凍するか、電子レンジで温めてから食べると安全です。

保冷剤と保冷バッグの活用

おにぎりを持ち運ぶ際には、保冷剤と保冷バッグを活用することで、温度上昇を防ぐことができます。保冷剤はおにぎりの周りに配置し、保冷バッグに入れることで、外部の温度からおにぎりを守ることができます。

このように、湿度が上がる季節にはおにぎりの扱いに十分注意することが大切です。

正しい方法で保存・持ち運びを行い、食中毒のリスクを低減しましょう。

安全で美味しいおにぎりを楽しむために、これらのポイントをぜひ実践してみてください。

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参考URL;厚生労働省